2012年2月5日日曜日

そこそこすごい北朝鮮の地下鉄 & おみやげ没収

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● 北朝鮮の地下鉄




ロケットニュース24 2012年2月13日
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=fuQ_x7U4Hhg#!

中国から電車に乗って北朝鮮に行ってみた
北京~平壌の一部始終を公開



 日本と北朝鮮は地理的に近いものの、国交がないため旅客機の直行便が飛んでいない。
 また、北朝鮮を旅行するには事前に登録して許可を得る必要がある。
 そういうこともあって、北朝鮮に旅行しようという人は限りなく少ない。

 もちろん、情勢や日本と北朝鮮の関係が微妙なのも旅行者が少ない理由のひとつだが、それでもその国を「自分の身をもって」知ろうとする行為は間違いではない。
 今回は、中国の首都・北京を経由して北朝鮮・平壌まで電車に乗って行った旅行者の体験談をお伝えしたいと思う。
 
<北京から平壌までの旅程>
1日目17:25 中国・北京駅から国際列車に乗る
2日目07:30 中国・丹東駅に到着 / 出国手続き
2日目09:35 北朝鮮・新義州駅に到着 / 入国手続き
2日目10:45 北朝鮮・新義州駅から発車
2日目18:50 北朝鮮・平壌駅に到着 → ホテルへ
 
・北京駅から国際寝台列車に乗る
 17:25分に発車する国際寝台列車に乗るため、北京駅に向かいました。
 電車内では物売りのおばさんが車内販売みたいなことをして売りにくるのですが、念のため前もってカップラーメンとかお菓子を買っておくことに。
 なんとなく雰囲気のあるイイ感じの車両でテンションがあがりました。
 
・北朝鮮の人が週刊アスキーとニュートンに興味津津
 寝台列車のベッドは4人1部屋のコンパートメント。
 同じ部屋になったのは自称・大学教授の朝鮮人男性。
 北京で仕事をして、これから平壌に戻るところとのこと。
 「また北京に戻るのんですか?」
と聞いたら、もう戻ることはないらしい。

 北朝鮮内ではインターネットができないので、成田空港で週刊アスキーとニュートンを買ってきました。
 それをテーブルに置いていたところ、大学教授が「読んでいいかね?」と聞いてきたので手渡す。
 どうやらある程度のカタカナを理解できるらしい。
 中国語はペラペラらしいので、日本の漢字も少しは理解できるはず。
 けっこう日本の雑誌も読めるようです。
 
・翌朝に丹東駅に到着 / まだ中国
 特にすることがないので早めに寝ました。
 翌朝、大学教授が私を起こしてくれました。
 どうやら、もうすぐ丹東に到着するようです。
 丹東は戦争時代に日本軍が駐留していた中国の地方都市で、一度だけ以前にもきたことがある場所でした。

 ここで出国手続きをして、パスポートに「丹東 出国」のスタンプを押してもらいました。
 この丹東から乗ってくる朝鮮人が多くいるようで、北朝鮮に向かう車両が新しく連結されました。
 ぞくぞくと食べ物を買いこんだ朝鮮人たちが列車に乗ってきて、私の4人部屋も満室に。
 
・入国手続き
 北朝鮮・新義州駅に到着すると、北朝鮮の軍人が大勢入ってきました。
 入国審査をするのでパスポートを渡すように言われ、パスポートと一緒にツーリストカード(ビザ)を渡しました。 
北朝鮮では、パスポートに出入国のスタンプを押してくれません。
 ツーリストカードに押されるのです。
 そして、そのツーリストカードは出国時に北朝鮮側に渡さなくてはなりません。

 この出国審査は列車から降りずに列車内でやるようです。
 「ちょっとこっちおいで」と軍人に言われ、私はコンパートメント内で軍人と二人っきりに。
 かなりニコニコしている軍人で、「いいんだよいいんだよ、リラックスして」という感じで優しく対応してくれました。
 
・ iPhone4SとiPadを封印
 いろいろと私の持ち物を調べた結果、iPhone4SとiPadは通信機器としてみなされ、出国まで使用できないように封印すると言われました。
 ニンテンドー3DSとPSVita、iPodはそのまま持っててもいいようです。

 そんな出国審査をしていたとき、軍人が自分のサイフを見せてきました。
 いろんな国の紙幣が入っていて、
 「どう? これ俺のコレクションなんだよね」
と見せているようです。
 つまり、
 「キミも何か海外の紙幣を持っていないかい? あれば少しほしいなあ」
ということらしい。

 日本円やドル、ユーロを要求しないところをみると、どうやら純粋に紙幣を集めているのかも? 
 そう思った私は、つい先日に旅行したタイのバーツ紙幣がバッグに入っていることを思い出し、100バーツと20バーツ紙幣を北朝鮮の軍人に渡しました。すると、
 「うおおおおお!! これは対のお金か!? はじめて見たぞ(笑)」
と大喜び。
 ということで出国審査は終了。

・北朝鮮軍人が激怒「ゴルァァァァ!」
 出国手続きもスムーズに終わって列車が出発。
 外には農家、牛、畑、歩く人々、今の日本にはないのどかな風景が! 
 ウキウキしながら写真を撮りまくっていたところ、背後から「ゴルァァァァ!」という声が。
 軍人がこちらをギッとにらんでいます。
 どうやら、勝手に写真を撮るなと言っているようです。
 このあたりは撮っちゃダメらしい。

 すると周囲にいた朝鮮人たちが
 「コイツはイルボン(日本)だからよくわかんないんですよ。
 許してやってください」
と言ってくれたようで、軍人は
 「イルボンだと!? ぐぬぬ……。
 お前らこのイルボンが撮影しないように見張っとけよ!」
という反応を示しながらも立ち去ってくれました。

・北朝鮮の人たちがご飯をご馳走してくれた
 北朝鮮に入って数十分が経ったころ、同じ部屋の朝鮮人がテーブルにご飯をたくさん並べて
 「お食べなさい♪」
と言ってくれました。
 これがまた美味しい! 
 しかもビールまでご馳走してくれて、とても幸せな時間を過ごすことができました。

 ご飯の内容は、日本のナムルのようなものと肉炒め、佃煮、ライス、海苔、魚の燻製などでした。
 うーん、どれも最高に美味しい! 
 ビールはなぜかハイネケン。
 細長い魚の燻製が美味しくて食べまくっていたら、魚まるごと一匹くれました。
  
・私を異様なまでに寝させようとする北朝鮮の人
 そろそろ撮影してもいいだろうと思ってカメラを持って風景を撮りまくっていたところ、大学教授が異様なまでに「寝なさい」と言ってくる。
 コンパートメントから出ると、あとをつけるように一緒に部屋から出てくる。
 軍人に徹底して見張るように言われたのかも? 
 なんだか不気味だと感じました。

 しかも、他の部屋の人たちはコンパートメントのドアを閉めて個室にしているのに、私の部屋だけは何度閉めても、気がつくと開けられている……。
 これもイルボンである私がいる部屋だからだろうか? 
 別に日本のスパイではないんだけど……。
 
・停電で2~3回ほど停車
 この寝台列車は電気で走っている。
 石炭(?)を燃やして発電して走っているという情報もありますが詳しくは不明です。
 でも、2~3回ほど急に電気が消えて列車が止まるというトラブルが発生。
 あとから旅行ガイドスタッフに聞いたのですが、それは北朝鮮が電力不足で不安定だからだそうです。
 そんなトラブルが続いたので、18:50に平壌に到着する予定だったのに到着したのは22~23時ごろ。

・平壌に到着するが待ち人おらず
 平壌駅に到着してホームに出ると、多くの人たちが待っていた家族と再会して喜びの声をあげている。
 みんな、長期間家族と会っていなかったのかも!? 
 しかし私を待っているはずの旅行ガイドスタッフがいない……。

 どこにもいないので、平壌駅のホームをウロウロ。
 仕方がないので見学のつもりで旅行ガイドスタッフを探そうと20分ほどウロウロ。
 念のため私が乗っていた車両に戻ってみると、そこに2人のスタッフが! 
 旅行ガイドスタッフと政府の指導員らしい。
 ということで、無事に平壌に到着しました。

Photo&Traveler: Kuzo




ロケットニュース24 2012年2月5日
http://rocketnews24.com/2012/02/05/179173/

北朝鮮の地下鉄に乗ってみた
女子小学生が同級生と列車に乗ってきた

 北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)では、地下100メートル以上の奥深くを地下鉄が走っている。
 深いところでは地下150メートルのところもあるらしい。
 そんな平壌の地下鉄に乗車した旅行者が、その感想を語ってくれた。

 「現地ガイドに連れられて向かった先は、復興駅という地下鉄の駅でした。
 驚くほど奥深く、100メートル以上の長さのあるエスカレーターに乗って地下に降りていきました」
と語る旅行者。
 所々をカメラで撮影していたところ、
 「一般人はあまり近くで撮らないでください」
と言われたという。

 地下鉄には自動改札のようなものがあったものの、ほとんどの人たちが駅員に定期や切符のようなものを見せて通過していたとのこと。
 乗った時間帯が朝の通勤時間だったためか、多くの人たちが地下鉄を利用していたようだ。

 長い長いエスカレーターを降りてプラットフォームに到着すると、そこには豪華なシャンデリアのある広い空間が。
 ボタンを押すと乗り換え案内が表示されるシステムもあり、ローテクノロジーでありながらモダンなシステムが用意されている。

 旅行者としてこの地下鉄を体験し、どのような感想を持ったのだろうか?
 「北朝鮮に対する偏見を省いたうえでのストレートな感想ですが、その深さには凄いと感じたものの、薄暗かったので少し怖さを感じました。
 深い地下を走っているのも、戦争が起きても大丈夫なようにでしょう」
と語っている。

 彼が特に驚いたのは、小学生らしき女児がリュックを背負って地下鉄にのっていたこと。
 親は一緒におらず、ひとりや友だちと一緒に通学しているようだ。

 「私はもともと北朝鮮に対して恐ろしいイメージがあったので、女児も意図的に用意されたものと邪推してしまう自分がいました。
 衝撃は受けましたが、本当のところコレが北朝鮮の本当の姿かどうかはコレを見ただけで決めることはできませんでした。
 こんなこと言うと北朝鮮のガイドさん怒りますね(笑)。
 でもそれが日本人である私の感想でした。
 偏見もあるかもしれないですけど」
と彼は話す。
 
Photo&Traveler: Kuzo




ロケットニュース24 2012年2月10日
http://rocketnews24.com/2012/02/10/179207/

北朝鮮のお土産を成田空港の税関で全部放棄させられた件
旅行者「仕方ないなあとは思います」



 日本人が北京経由で北朝鮮を旅行し成田空港に戻ってきたところ、税関で北朝鮮のお土産品をすべて没収された(放棄させられた)という。
 2011年に平壌で開催されたサッカー日本VS北朝鮮戦で多くの日本人サポーターが渡航したが、お土産を没収されたという話はあまり聞かないが……。

 この件に関して日本人旅行者は
 「微妙な国なので仕方ないなあとは思いますが残念です。
 税関スタッフは前例がないので少し待ってと言って10分くらい確認を取ってました」
と語っている。
 以下が、成田空港で手放すことになった北朝鮮から持ってきたお土産である。
 
・成田空港で没収された(放棄されられた)北朝鮮のもの
酒1本、コーラ1本、高麗人参、箸、コチュジャン1瓶、ハブラシ、シャンプー、コンディショナー、バスフォーム、シャワーキャップ、スリッパ、くつみがき布、ビニール袋、さいほうセット、せっけん、ポスター、ハチミツ1瓶、きんちゃく袋、ハミガキ粉、アニメDVD、ドラマDVD、朝鮮語会話の本、地下鉄パンフレット、ホテルパンフレット、平壌地図、ポストカード、朝鮮観光地図、朝鮮ガイドブック、切手、封筒、便せん、北朝鮮紙幣、熊の肝の粉末。
 
 成田空港の税関で任意放棄の書類にサインを書き、中国で購入したお土産以外はすべて成田空港に置いてきたという。
 この件に関して日本人旅行者が経済産業省に話を聞いたところ、
 「北朝鮮のものは、個人のお土産であれ、自分で使うものであれ輸入規制に触れます。
 ミサイルや核問題の経済制裁も関係しています」
という説明を受けたという。

 北朝鮮の旅行ガイドスタッフは日本人旅行者に
 「日本に持ち帰るのは問題ないよ。
 旅行者はみんな日本に持って帰ってる。
 サッカーのときもサポーターみんな持って帰ってたよ」
と言っていたという。
 うむむむむ、持って帰れなかったではないか(笑)!

 「税関では、持ち込めない理由として国交がない国ですからねって言われたんですが、それなら台湾も国交がないんですよね。
 なので経済産業省に聞いたところ、国交の問題というより経済制裁があるからNGと言われました」(日本人旅行者 談)。

 正直、黙っていればそのまま税関をスルーできるケースもあるだろうし、お土産を放棄させられないために
 「あえて税関で何も言わず入国する人」
もいるはずだ。
 そういう場合は取り締まれないと思うが、とにかく日本には北朝鮮のものを持ち込めないので皆さんも注意しよう。

 ちなみに、任意放棄の書類は「任意」とはあるものの
 「サインをするしか選択肢がない」
という状況らしい。
 経済産業省のスタッフもそうであることを認めているという。
 つまり絶対に持ち込めない。
 あきらめよう。
 しかし、すでに開封して使っている旅のためのハブラシや石鹸などはOKの場合もあるので確認が必要だ。





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